これまでのこと②初めてのリゾートバイトin与那国島

初めてのリゾバには半ばパニック状態で飛び出したが、与那国島での生活は思いがけず新しい発見に溢れていた。

(詳しくは前回の記事で↓

これまでのこと①半分ニートがリゾートバイトを始めた理由 )

正直、島にいる間は悩みっぱなしだった。しかし、焦りに満ちていた心が、島で生活を送るにつれて、だんだんと呼吸できるようになっていったのである。

与那国島生活

私は運転免許を持っていない。だから島での移動手段は、もっぱら自転車だった。

取り憑かれたように、毎日のように自転車に乗った。

職場で貸し出されていた自転車は、日暮れまでに返さなければならなかった。よくギリギリまで海辺で夕陽を眺めて、水平線に太陽が沈む直前に自転車に飛び乗って帰った。

島では与那国馬という在来馬が放牧されている。牧場の一本道、キラキラと輝く真っ青な海を眺めながら、馬たちの中を走った。

北牧場

島の商店で売られている野菜は、船便で届けられるものだ。だからみんな高価で、元気がなかった。新鮮な野菜に飢えていた中、地元のおじいがたまたま、オオタニワタリという野草を教えてくれた。それからというもの、オオタニワタリを見つけては、新芽を折って、茹でて食べた。

ある時、ティンダバナという崖の、岩陰から流れている水も飲めると知った。それも2Lペットボトルに詰めて、よく持ち帰って飲んだ。

沖縄の野草、オオタニワタリ

職場の人たちや、地元の人たちとも交流をした。

職場の人たちとは釣りをした。私は1匹も釣れなかった。しかし、軽トラで釣り具合を覗きに来た島の人が、他の人が釣った魚を捌いてくれた。その場で醤油をかけて食べた。

ある時突然、働いていた施設の休業が知らされた。職場の人達は皆、同じタイミングで散り散りになることとなった。島を出る前日には、海辺で皆でBBQをした。

気づけば知らない島の人も混ざっていた。皆で三線に合わせて歌い、カチャーシーを踊った。

BBQをしたナンタ浜
(砂浜に職場や地元の人達が集まっている)

旅を続ける、ということを決めた

島はあまりにも遠く、あたかも日本語の通じる外国のようだった。見るもの触れるもの、あらゆるものが初めてだらけだった。

しかし、島での生活を通して私は、自分は知らないことを知ることや、遠くに旅することが好きだということに気づいた。

できるだけ自分の生きてきた世界とは違うところへ。できるだけ遠くに旅をして、できれば半年ぐらい家に帰ってきたくない。そんな気持ちである。

元々、3ヶ月間のリゾバを終えたら地元で就職しようと思っていた。しかし、自分の中でそんな旅スイッチが入ったから、結局、就職前に気の済むまで気になるところを周ろうと決めた。

<続く>