2022年に映画化された、ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地としても有名な与那国島。
沖縄本島よりさらに南にある、八重山諸島のうちのひとつです。
与那国島は、日本最西端の地であり、日本ではいちばん最後に夕日が沈む場所。周囲は断崖絶壁に囲まれています。
今回は、そんな与那国島で3ヶ月間リゾートバイトをした筆者が、おすすめのビーチや海の見えるスポットを紹介したいと思います。
島を訪れる予定の人は、ぜひ読んでみてくださいね。
そもそも与那国島とは
日本最西端に位置する与那国島。
隣の台湾までの距離はおよそ100km、
Google Mapで近くのお店を検索すると、台湾のお店が出てきてしまうくらい近い場所にあります。
島の人口は約1600人。島には牧場がたくさんあり、青い海を背景に、放牧された与那国馬や牛が、草を喰むのどかな光景が広がります。
島内を1周するのにかかる時間は、車で1時間弱、自転車では3時間ほどです。
絶景の孤島とも呼ばれる与那国島は、フィリピン付近から始まる黒潮の流れが、日本で最初にぶつかる場所でもあります。プランクトンが少ないため、海の透明度が高いのが特徴です。
また、水深が深く流れも速いため、海流が断崖絶壁に力強くぶつかる景色も圧巻。
特に海が時化ている日には、時おり高く波柱の上がる光景も見られます。
与那国島へのアクセス
那覇、もしくは石垣島経由の2つがあります。
①那覇経由(飛行機のみ)
琉球エアーコミューター/RAC 所要時間…約1時間15分
那覇空港→与那国空港 1日2便
与那国空港→那覇空港 1日1便
料金…片道17000〜35000円
②石垣島経由
〈1〉飛行機の場合
琉球エアーコミューター/RAC 所要時間…約30分
石垣空港→与那国空港 1日2便
与那国空港→石垣空港 1日3便
料金…片道8000〜13000円
〈2〉フェリーの場合
フェリーよなくに(福山海運) 所要時間…約4時間
石垣港離島ターミナル→与那国島久部良港 週2便(火・金曜/午前10時出港)
与那国島久部良港→石垣港離島ターミナル 週2便(水・土曜/午前10時出港)
料金…片道大人3550円、小児1775円
ちなみにフェリーは欠航しやすいのに加え、巷では「ゲロ船」と呼ばれるほど大きく揺れます。
費用はかかりますが、「日程に余裕がない!」「船があまり得意じゃない!」という方は、飛行機でのアクセスがおすすめです。
与那国島おすすめのビーチ&海の見えるスポット
それではここから、筆者おすすめのビーチと、海の見えるスポットを紹介します。
ダンヌ浜
与那国島らしい荒々しい海、日本最西端が見え、インスタスポットあり、と、魅力満載のビーチがダンヌ浜です。
与那国空港と久部良集落の間、空港からは車で約5分のところにあります。
水の透明度の高さはもちろんですが、なんといっても巻き起こる波が音を立てて崩れる、迫力のある景色が魅力です。それは空気中を波が進む時、まるで飛行機のように風を切る音が聞こえるほど。
西側には、最西端の碑のある崖が見え、海に沈む夕日も眺めることができます。
ダンヌ浜にはフォトジェニックな建物があり、それがこちらの公衆トイレです。
大きな丸い穴の空いた建物ですが、穴の向こうに水平線が見え、海と空を丸い額縁で切り取ったような光景を見ることができます。その美しさから、インスタ映えスポットとしても有名です。
実際に写真を撮る観光客の姿も。
ここからは、最西端の崖の隣に沈む夕日を眺めることもできます。
基本的には波が高めなので、泳ぐには少し危険かもしれません。過去には遊泳中亡くなってしまった方もいるそうなので、注意が必要です。
周囲にはお店がないため少し不便ですが、ダイナミックな海なので、大自然のパワーを感じられるビーチです。
【詳細】
アクセス/与那国空港から久部良集落方面へ、車で約5分
駐車場/○(無料)
トイレ/○
周辺のお店/×
比川浜
島の北側、比川集落にあるビーチです。空港からは車で10分弱。すぐ近くにはTVドラマ「Dr.コトー診療所」のオープンセットが立っています。
砂浜と隣接するように比川小学校があり、学校のチャイムや子供たちの遊ぶ声、山に、広い空、Dr,コトー診療所のセット…と、のどかな風景が広がります。
少し耳を澄ますとぴちゃ、ぴちゃ…と聞こえるくらい、こちらの波は小さくとても穏やか。遠浅のため、家族連れでも安心して泳ぐことができます。
比川集落には食堂や売店が数軒あります。比川浜から歩いて2分ほどの比川共同売店には、お惣菜やパン、お土産なども。
食堂でごはんを食べたり、「Dr.コトー診療所」のセットを訪れたりしたついでに寄るのもおすすめ。また、売店で買ったお弁当などを持って行って、海を眺めながら食べるのもおすすめです。
比川浜は与那国島では、もっとも穏やかで静かなビーチかもしれません。静かにのんびり、過ごしたい人におすすめのビーチです。
【詳細】
アクセス/与那国空港から比川集落方面へ、車で約8分
駐車場/○(無料)
トイレ/△(比川浜から徒歩2分、比川共同売店のトイレが利用可)
周辺のお店/○(売店、食堂など)
ナンタ浜
空港から車で約5分。
こちらは祖内集落にある浜です。島の中心地のようなこの集落には、商店や居酒屋、町役場などが集まっています。ナンタ浜は釣りスポットとしても有名で、ひそかに場所取りが発生することも。
ナンタ浜は昔、島外から訪れる人を出迎え、島から出ていく人を見送る場所でもあったそうです。
夕方には、缶ビールを片手に夕日を眺める島民の姿も。筆者もこの浜でBBQをしたことがあり、釣り人、馬に乗る観光客と、みんなが集まる憩いの場のようなビーチです。
居酒屋も近くにあるので、飲んだ後こちらで波の音を聞きながら、星空を眺めるというのもとてもおすすめです。
大自然というわけではないけれど、地元の人も親しむ場所を訪れてみたい、温かい歴史に想いを馳せてみたいという人におすすめのビーチです。
【詳細】
アクセス/与那国空港から祖内集落方面へ、車で約4分
駐車場/○
トイレ/○
周辺のお店/○(売店、居酒屋など)
六畳ビーチ
空港から車で約10分。
海底まで見える透明度の海を180度見渡せる、その美しさとダイナミックな景色から、与那国島で最も有名な絶景スポットのひとつとされているのがこちらの六畳ビーチです。
薮の中の道を進むとすぐに、海を見渡す崖に出ることができます。断崖絶壁と、海底に見えるのは珊瑚礁。
六畳ビーチの絶景は、崖の上からでも楽しめますが、岩場を降りて砂浜に出ることもできます。
六畳ビーチの名前の由来は、満潮時に砂浜の広さが六畳ほどになってしまうところ来ているのだそう。その名の通り、周囲を岩場に囲まれた、こじんまりとしたプライベートビーチのようです。流れが早いため、こちらは遊泳禁止となっています。
砂浜までの道のりはかなり険しく、ひっかかりやすく怪我をしやすいので、降りる際は注意が必要です。転落しないように雨で濡れている時や、子供がいる場合は控えた方がいいかもしれません。
それでも降りる場合は、スニーカーを履くことをおすすめします。軍手があると安心です。
入り口の看板はとても小さいので、見落とし通り過ぎる人も多数。車の場合は特に気づきづらいかもしれません。
与那国島ではマストな絶景スポット。崖の上からだけでも十分楽しめますので、ぜひいちど足を運んで欲しいビーチです。
【詳細】
アクセス/与那国空港から比川集落方面へ、車で約10分
駐車場/×
トイレ/×(比川浜から徒歩2分、比川共同売店のトイレが利用可)
周辺のお店/×
馬鼻岬
ビーチではありませんが、こちらも海を眺めるのにおすすめの場所です。
空港からは入り口まで車で約5分、そこからさらに15〜20分ほど歩きます。
崖の上の草原に馬や牛が放牧されており、足元にある車の跡を辿って行く場所です。
崖の先に着くと、眼下には見渡す限りの大海が。
ここはドラマ「Dr.コトー診療所」のエンディングで、コトー先生が座っている場所でもあります。
透明度が高いため、海底まで太陽の光が届きます。そのためここから見る海は、まるで地球の表面を薄く覆うゼリーのよう。
垂直に切り立った岩肌に、波柱の上がる様子も見られます。
牧場の中を通るため、道中は馬や牛の群れに出会います。徒歩の場合はかなりスリリングですが、その先に出会う景色は一見の価値あり!
大パノラマを眺めたい方はいかがでしょうか?
【詳細】
アクセス/与那国空港から久部良集落方面へ、車で約4分
駐車場/○
トイレ/×
周辺のお店/×
西崎(日本最西端の碑)
空港から車で約10分。
日本最西端の与那国島では最も有名な場所ですが、こちらから見る海もおすすめです。
目線の先に日本はなく、いちばん端まで来た…と実感しながら眺める海は、なかなか経験できるものではなく、とても感慨深いものがあります。
そしてもしこの最西端まで来たら、ぜひこの石碑に向かって右側(北側)の海も見下ろしてみてください。
潮の満ち引きによって変化はありますが、柵から顔を出して見下ろしてみると、海底の岩肌に波のぶつかる壮大な光景を見ることができます。
夕方には、日本でもっとも遅い夕日を見ようと、旅人たちが集まります。水平線に日が沈んでいく様子を、みんなで一緒に眺める…という素敵な旅の思い出も作れるかもしれません。
言わずもがな、与那国島を訪れたら必ず訪れて欲しい場所です。
【詳細】
アクセス/与那国空港から久部良集落方面へ、車で約10分
駐車場/○
トイレ/○
周辺のお店/△(久部良集落には、売店や居酒屋などがあります)
まとめ
与那国島にはいくつかビーチや絶景スポットがありますが、今回はその中で特に印象に残っている場所を載せてみました。
海の透明度に加え、与那国島の自然は厳しく、ダイナミックな景色を見ることができるのも魅力のひとつです。
ちなみに島の移動手段としては、車、レンタサイクルの他に、無料で利用できる生活路線バスも走っています。筆者のおすすめはレンタサイクル。島の周囲を一周する県道であれば、青い海や緑の草原を眺めながら、爽快で開放的なサイクリングを楽しむことができます。アップダウンも多く少し大変ですが、電動自転車を借りることも可能です。
海を眺める際は日焼け止め対策もばっちりと。痛い!と感じるほど強い日差しのため、帽子やサングラスをすることをおすすめします。
飲食店は不定休の場合も多いので、事前に電話で確認をしておくと安心です。
なかなか簡単にはアクセスできない、絶海の孤島、与那国島。もし訪れたら、ぜひお気に入りの場所で、心ゆくまで海を眺めてみてくださいね。
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